シャグの加湿方法
手巻き煙草初心者の方には、『煙草を加湿?不味くなりそう』そう疑問に思われるかも知れません。
事実私がそうでした。
ですが、これだけでも覚えておいてください。
葉たばこの旨味を引き出すには、適切な水分を与えねばならない。
基本的に、加湿しなくても吸えない事はありません。
しかし紙巻きたばこと違い、保湿剤や防カビ剤等の化学薬品が添加されていない分(商品によります)、自ら世話をかけてやらねば、落ちてしまった葉たばこのパフォーマンスは本来の姿に戻ることは無いのです。
…シャグだけでなく、実は紙巻きたばこも加湿をしてあげると、より美味しくなるんだよ٩( ᐖ )۶
では、乾燥するとどうなるか?
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✓辛味が出る
✓いがらっぽくなる
✓煙草葉の甘味はなりをひそめる
✓旨味といった味わいが引き出せない
✓香りが引っ込む
✓雑味が顔を出す
✓加香シャグならば、着香が飛ぶ
✓巻きづらくなる
✓シャグがボロボロになる
これだけでも、デメリットしかありませんよね(´._.`)
では、今度は加湿し過ぎるとどうなるか。
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✓春〜晩秋は特にカビが生えやすくなる
……無添加シャグは特に要注意
✓水っぽい味になる
✓火付き、火持ちが悪くなる
✓味がボケる
✓着香シャグはフレーバーがボヤける
乾燥し過ぎても加湿し過ぎても、シャグには毒となるのです。
一般的に、シャグの最適な湿度は70%前後と言われています。
これは、各銘柄や個人の好みによって多少前後しますが、どうせならベストなコンディションのシャグを味わいたいですよね。
好みを抜きにして、一般的に言われているベストな水分量の場合はどうかと言うと……
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✓甘味が強まる
✓旨味が引き出される
✓辛味が落ち着く
✓香りが開く
✓まろやかになる
✓喫味がマイルドに刺激が穏やかになる
✓品質が良い状態で安定する
✓纏まりがいいので巻きやすくなる
✓無添加シャグの熟成が出来る
メリットを見てみると、やらないのがもったいないのを理解して頂けると思います。
それでも、面倒くさいと言う方は始めに書いた━━
『葉たばこの旨味を引き出すには、適切な水分を与えねばならない。』
これだけでも頭の片隅に置いて頂き「最近煙草が辛すぎるし、美味くないな。」
そう感じた時にでも、後に紹介する加湿方法のいずれかを施していただければと思います。
それでは本題、加湿方法のご紹介です。
━━加湿の基本的な事━━
まず基本の考え方は、1度加湿を始めたら最低でも一晩。
カラカラのシャグであれば、出来れば丸1日。シャグの入った容器を開けるのは我慢しましょう。
また好みの湿度になったら、加湿器具を取り出し、その後湿度維持の為にヒュミディパック1個を入れ、加湿の工程は終わりです。
✓無添加系→72% ✓それ以外→69%
加湿で使用する水は、出来れば精製水。
用意出来ない様であれば、沸騰させ冷まし『カルキ抜きをした水』のどちらかで。
…ちなみに『加湿には水を、湿度維持にはヒュミディパックを使用する』と覚えておくといい。
加えて、加湿用器具は定期的な点検をすること。
シャグは冷暗所にて保管。
アルコールティッシュでもいいので、保存容器を消毒。
最後に、絶対に守って欲しいのが『シャグを触る前には手洗い・消毒を!』
━━今からご紹介する様々な方法は、気密性の高い保存瓶や、タッパー等に入れていると仮定します。
…パウチに入れたままの状態でも加湿はされますが、均一な加湿を素早く行う為には、パウチでの加湿は不十分であり、ある程度の空間が必要になってくるためです。
代表的なものは……
《1》ミカンの皮で加湿
手軽度★★★★★
加湿速度★★★☆☆
コスパ★☆☆☆☆ or ★★★★★
衛生面★★☆☆☆
いつでも手元にミカンがあるとは限りませんが、冬場など手に入る機会があったら是非。
ただし加湿するために買うのは経済的では無く、その場合は他の方法がおすすめです。
しかしながら、香りが移るのは嫌なので私はやった事がありません。
追記…とんでもなくカラッカラのシャグがあったので試してみました。
ミカン1個分の皮を適当にちぎり、様子を見ながら3日程度でしょうか。適度にしっとりと、心配していた匂い移りもなく結果的にとても良い方法だと思います。今後ミカンが手に入った場合は、手軽で便利なので優先的にやるつもりです。
私はまだ試した事がありませんが、もしも匂いをのせたい場合は皮を揉んでから入れると、ほんのりミカンの香りが乗るらしいです。
✯必要な物
✓ミカンの皮1~2片
✓茶葉パック
1)ミカンの皮を剥く前に、軽く表面を洗い水気を拭いておく。中身を食べ終わった後、ミカンの皮を保存器具に入ったシャグの上に置きます。
もしカビが心配なら、使うミカンの皮がシャグに直接触れないよう、茶葉等を入れる使い捨てのパックに入れておきましょう。
2.)シッカリと蓋をし、一晩〜1日は開けずに放置。
その後、蓋を開けシャグを混ぜながら手触りで水分量を確認する。
足りないようであれば、①に戻り繰り返す。
…2度目に入る場合は、シャグがいくらか水分を吸っているので、1度目よりは短い時間間隔で確認をしてください。
また、ずっと同じミカンの皮を使っていると、乾いてきたり腐ることも考えられるので、開けたタイミング、あるいは2~3日で取り替えましょう。
因みに、この茶葉パックは、スーパーやドラッグストアで30~60枚入¥100~売られています。
《2》ヒュミディパックで加湿
手軽度★★★★☆
加湿速度★☆☆☆☆
コスパ★★★★★
衛生面★★★★★
手巻き煙草を嗜んでいる方は、ヒュミディパックの存在をご存知かと思います。
水分が足りなければ放湿 ⇔ 水分過多であれば除湿する優れ物!
ですが、基本的にヒュミディパックの考え方は、湿度を維持するツールと考えた方が得策。
加湿には、少々力不足なのです。
✯必要な物
✓ヒュミディパック2~3個
1)最低でも2〜3個はヒュミディパックを用意し、保存容器にシャグと一緒にドボンしたら、1日、出来れば2日は放置。
2)その後シャグを混ぜ、好みの湿度になるまで、①〜②を繰り返す。
3)好みの湿度になったら1つを残し、他は取り出す。
ヒュミディパックの使用期限は、固くなったら。
基本的に1~2ヶ月みたいです。
メーカーや店舗によりますが、1つ辺り ¥180~¥400。
シャグの湿度維持のため、ヒュミディパックは持っていると後々管理が楽になります。
使わない時はラップ等でくるみ、ジップロック、または密閉される小さめの保存瓶にて保管すれば、比較的長期間使用出来ます。
人によっては、このヒュミディパックの寿命を伸ばしたり、固くなったヒュミディパックを次項で説明する様な方法で、ゆっくりと水分を吸わせ復活させているみたいです。
《3》ヒュミドールやハイドロストーンで加湿
…ヒュミドール1つ辺り¥500〜
…ハイドロストーン1つ辺り¥200〜
手軽度★★★☆☆
加湿速度★★★★☆
コスパ★★★★☆
衛生面★★★☆☆
生け花等で使われる緑色のスポンジ。それをオアシスといいます。
ヒュミドールとは、500円玉サイズの穴の空いたアルミケースの中に、オアシスが入っている加湿ツール。
ハイドロストーンとは、素材が珪藻土の石です。
ちなみに、ヒュミドールとハイドロストーンの使用方法は同じです。
✯必要な物
✓ヒュミドール or ハイドロストーン
✓ハイドロストーンならば、茶葉パック
✓精製水 or 沸騰させ冷ました水
1) 精製水、あるいは一度沸騰させ冷ました水に、ストーンないしヒュミドールを沈め、20分〜1時間程度たっぷりと水を吸わせます。
取り出した後は、ツールの周りに付いた水気を拭きましょう。
…ハイドロストーンに関しては、シャグに直接触れるとストーンがカビるので、茶葉を入れる使い捨てのパックで包みます。
2)シャグと一緒に保存容器にドボン、その後蓋をする。
…これらのツールは比較的加湿速度が速いので、放置は基本5時間〜一晩で様子を見る。
シャグの乾燥度合いや、好みの水分量によって放置時間は変えてください。
3)蓋を開けたら一度混ぜ、加湿が足りない様であれば②に戻り、繰り返す。
…ただしこちらは、加湿し続けてしまうツールなので、好みの湿度になったら必ず取り出しましょう。
ハイドロストーンに関しては、乾かせば除湿としても使用出来、使用期限は半永久となります。
しかし、定期的な点検は必要になります。
特にヒュミドールは中が見えないので、試しに開けてみたらカビだらけだったという話しも聞くので、気をつけてください。
《4》精製水を吹き掛けて加湿
手軽度★★★★★
加湿速度★★★★★
コスパ★★★★★
衛生面★★★★★
※ 100均でもドラッグストアでも、スプレーボトルや精製水は売られているので、気がつけば直ぐに手に入るのは嬉しい処。
✯必要な物
✓精製水 or 沸騰させ冷ました水
✓スプレーボトル
1)スプレーボトルに精製水を移し、シャグをトレイ等に均一に広げる。
2)シャグに直接吹きかけ、混ぜながら様子を見て好みの水分量になるまで、吹きかけてください。(かけ過ぎ厳禁)
3)精製水を吹きかけたシャグは直ぐ吸えますが、水分とよく馴染ませるため、急ぎでなければ一晩密閉容器で寝かせてください。
個人的にこの方法は加減が難しく、品質変化や劣化を早めてしまいそうな印象があり、一度も試したことはありません。
ですが、常喫が1つ2つと少ない方はありだと思います。
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以上が王道でポピュラーな方法です。
他にも独自の加湿方法や、上記のツールを自作なさって紹介している方がいらっしゃるので、「シャグ 加湿」と検索すれば沢山出てきます。ですので、それについてここでは敢えて触れません。
次いで、私の加湿方法をご紹介します( ˘ᵕ˘ )
めっちゃ簡単で、どこでも手に入る道具なので直ぐに出来ると思います。
━━Romee流 加湿方法━━
ここまでの基本を踏まえた上で言及すると、私は基本的に各銘柄のシャグによって、自分好みの水分量にしています。
スワレ等は60~65%・着香シャグは65%・無添加は69% が大体の目安でしょうか。
それは好みだけでなく、70%前後だと保管に絶対の自信が無い事もあり、保険とも言えるでしょうか。
また厳密に言えばこの値より大きくズラし、乾燥させて嗜んでいるシャグも勿論あります。
正直そこは好きずきなので、加湿に至ってはシャグと自分との好みを知ること、そして慣れが必要です。
とまぁ、こんな話しは蛇足と言えるので本題へ。
《1》Normal コットンで代用
手軽さ★★★★☆
加湿速度★★★★☆
コスパ★★★★☆
衛生面★★★★★
✯必要な物
✓茶葉パック
✓コットン
✓セロテープ
✓精製水 or 沸騰させ冷ました水
…購入先の品揃えによりますが、ドラッグストアで全て揃います。
1)水を染み込ませたコットンを、水滴が垂れない程度に軽く絞り、茶葉パックで包む。
その後、蓋からはみ出す長さのセロテープで、その茶葉パックを蓋の裏に貼る。
2)蓋を閉めて、一晩〜1日放置。その後、シャグを混ぜる。加湿が足りなければ再び蓋をし、放置。
3)シャグがカラッカラで、なかなか加湿が進まない場合は、①を始めからやり直す。
4)好みの水分量になったら、蓋からコットンを外し、その後ヒュミディパックを入れて終わりです。
…取り替えず、コットンに再び水を染み込ませてもいいのですが、そもそもが安いし手軽なので①に私は戻っています。なにより衛生的だしね!
追記…蓋につけるのが面倒であれば、茶葉パックに入れよく絞ったコットンを、そのままパウチに入れても可。
その場合は、シャグが吸う水分量にムラが出ないよう、数時間置きにシャグをよく混ぜてください。
《2》Special 1時間急速加湿
手軽度★☆☆☆☆
加湿速度★★★★★
コスパ★★★★★
衛生面★★★★★
こちらはどなただったか、どこかのブログで見た加湿方法をアレンジしたものです。
この方法であれば、家庭にあるものだけで出来るので、時間があればいつでも出来ます。
乾き切ったシャグも1時間程で急速に加湿出来、また蒸されるために水分がよく馴染むので、無添加のシャグは香りが良くなる気がします。
✯必要な物
✓(A)大きめの保存容器
…最低でもシャグの2倍量が入る大きさ
出来れば3~4倍位が理想かな
✓(B)保存容器の入るサイズの鍋
✓温度計が無い方は、室温に戻した水を適量
1)(B)の鍋で、たっぷりの水を沸騰させる。沸騰したら火を止め、その湯気を(A)の保存容器の内側が充分湿るまで当てる。※ 火傷にご注意
2)(A)の容器が温かい内に、解したシャグを中に入れ蓋をし、よく混ざるよう3〜5分程
✓タッパーなら上下横に振る
✓瓶なら転がす
…この時、強く振りすぎると衝撃でシャグが痛むので注意!終わったら、容器が冷める迄放置。
3)(A)の容器が冷めたら、先程使用したお湯を80度にし、その中に(A)入れ温める。温められて、内側に水滴が現れたら再度振る。
…温度計が無い場合の目安は
沸騰している湯量に対し、約1/3の室温に戻した水を入れ、火を止める。
4.(A)の容器が冷めたら蓋を開け、まんべんなくシャグを混ぜながら水分量を確認。
足りない様であれば1.に戻る。足りていれば蓋をし5に進む。
5.3の要領で80度のお湯で温める。
6.蓋をしたまま10分程放置。
…5と6を3〜4回程繰り返す。
【 ADD 】
もっと美味しくするなら、マニ金やアメスピ等の無添加やオーガニックシャグの場合、2~7日蓋をしたまま寝かす。
加湿後、煙草の甘みである糖に変化するのに必要な期間となります。
《3》Special 30分加湿
✯必要な物
✓沸騰したお湯適量
✓(A)お湯を入れる器
✓器が余裕で入る底の深い大きなタッパー
1)沸騰したお湯を器に3/4程入れる。
2)Aのタッパーに水を零さない様に置き、器の周りにシャグを敷き詰める。
3)蓋をし、10分~15分程放置。
4)蓋を開け、器を取り出してからタッパーの内側側面に付いた水滴を拭く。その後シャグをよく混ぜながら水分量を確認。足りなければ5に、好みの水分量であれば6に進む。
5)器に残った冷めたお湯を捨て、再び沸騰したお湯を入れる。2の要領で準備が出来たら、蓋をし5~10分放置。その後4に戻る。
6)シャグをタッパーから取り出した後、保存容器に移しヒュミディパックを1つ入れて終了。
…シャグの乾燥具合によって、放置時間は変えてください。
放置し過ぎると、過加湿となるので個人で判断願います。
また、シャグを混ぜる際に水滴を拭かないまま行うと、水滴が垂れてシャグがベシャベシャに濡れます。これは忘れずに行ってください。
✄----------加湿Q&A---------‐✄
Q.湿度70%ってどれくらい?
A.湿度計をせめて1~2個でいいので、買って湿度70%前後のシャグの触り心地を覚えていく。
しばらくすれば、自分の好みの湿度がわかってくるのでこればかりは慣れが必要です。
Q.湿度計は何処で買える?
A.ピンキリですが、専用の物は通販で探せばいくらでも出てきます。身近な所であれば100均でも安いのはあります。ただ安いなりなのでズレがあるらしく、かつ湿度計は元々誤作動やらズレが生じやすい品なので、大きなタッパーで同時に2つ使うのがベター。
Q.持ってないけど、今加湿したいので湿度を知りたい。
A.GV=ゴールデンバージニアを吸ったことあれば、あの水分量を目安にちょっと少ない位がベター。
Q.吸ったことない、それでも知りたい。
A.めっちゃ乱暴で感覚的な話になりますが、東京の真夏の蒸し蒸し蒸し暑〜い日の湿度位。
テーブルを拭いた時、水の線が残らない程度の少し乾いたウェットティッシュ。
干してある洗濯物の見た目は乾いているのに、触れればまだ全体的にうっすら湿ってる服。
この辺りでしょうか?うぅん、難しいですね。
他のシャグで充分な湿り気のあるものに出会っていれば、目安にすればいいのです。
Q.加湿し過ぎた、どうしよう。
A.保存容器なり、パウチの封を開けたまま放置。もしくはトレイの上に均等に広げ水分を飛ばす。
もしくは大きなタッパーにシャグを広げ、葉に触れぬようシリカゲルを適量入れた後、蓋をして放置。
どちらの方法も、放置時間は過加湿具合によるので個人で判断してください。
ただし、飛んだ水分と一緒に旨味や香りは飛んでいくので、過加湿は絶対に起こさないよう気をつけるべきです。
Q.何故加湿は水道水ではいけないの?
A.水道水には専用機器が無い限り、健康には問題無くても一般的雑菌が含まれます。またカルキ等のミネラルは雑菌の栄養となり、カビが生える原因ともなるのです。精製水とは不純物をとても細かいフィルターを通した純水なので、加湿に適した水となります。
Q.過加湿気味が好きなんだけど、、
A.正直好みではありますが、湿度80%を超えるとカビの発生率はグンと上がります。
素早く吸いきり、シッカリとした環境下で管理する事が出来れば構わないと思います。
ですが、少しでも自信が無いのであれば、やめておいた方がベター。
シャグ専用のセラーを用意するなど、機器が必要になってきますし。
Q.カビが生えた。もう吸えないの?
A.白カビならば生えてあるところを捨てて、保存容器を替えればその後も吸えなくもないです。
黒カビでしたら残念ですが捨てましょう。
何事も勉強です。
けれど私なら気持ち悪くて捨てるかな。
他にも、思いついた疑問。
聞かれた疑問があれば、順次追記していきたいと思います。
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以上が、ポピュラーな方法やオリジナルの加湿方法でしたが、いかがでしたでしょうか?
自分のライフスタイルに合う加湿方法を見つけることが、手巻き煙草を続けられる秘訣だと思います。
せっかくのシャグを美味しく吸いたいですもんね。
それでは長くなりましたが、これにて『シャグの加湿方法』を終わりと致します。
皆さん、良き喫煙ライフを〜(∩ˊᵕˋ∩)・*